2025.12.31
ブログ
大晦日の夜から、初日の出へ。静けさの中で迎える新しい一年
大晦日の南房総は、冬とは思えないほど風が柔らかく、貸別荘のテラスに立つと、遠くで寄せる波の音だけが響いていた。キッチンでは年越しそばの湯気が立ちのぼり、出汁の香りが部屋の隅々まで広がる。テレビをつけてもいいけれど、今日はゆっくり、自分たちのペースで今年を締めくくりたい。食後は少し灯りを落として、穏やかな夜の海をぼんやり眺める。零時を過ぎても外は驚くほど静かで、新しい年がそっと足音を忍ばせて近づいてくるようだった。
仮眠をとって外に出ると、まだ夜の名残が濃く、空は深い藍色のまま。でも、その奥でほんのり赤みが差している。海沿いの道を歩いていると、冷たい空気が頬を刺し、眠気がどこかへ消えていく。水平線を見つめていると、ゆっくり、ゆっくり…太陽が顔を出しはじめた。水面に光が広がった瞬間、まるで世界が一度リセットされたような清々しさが押し寄せる。
貸別荘に戻れば、まだ温かさが残る部屋と、沸かしたてのコーヒーの香り。大晦日の静けさと、元日の清らかな光がつながって、心の中にひとつの物語ができあがる。
——こんな一年の始まり、悪くない。ゆっくりと、新しい日々が動き出していく。