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2025.12.24
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クリスマスイブの夜にそっと灯るもの

クリスマスイブの南房総は、冬とはいえどこか柔らかい空気が流れている。
日が落ちると、海の向こう側に小さく光る船の灯りがぽつぽつ浮かんで、そのひとつひとつがまるで“静かな祝福”みたいに見える。

街の喧騒から離れたこの海辺では、イルミネーションの代わりに、潮風と波の音がイブの夜をそっと包み込む。
テラスに出て深呼吸すると、冷たさの中にかすかに甘い潮の香りが混ざっていて、それだけで心が少しほどけていく。

世界中で誰かが大切な人と過ごしている夜。
その人たちの笑い声や願いが、見えないあたたかな気配として空に積もっていく気がする。

ひとりでも、誰かと一緒でも、
クリスマスイブって、なんだか不思議と心に余白が生まれる夜だ。
「今年もここまで来たね」って、そっと自分に言いたくなるような。

海を見ながら過ごす南房総のイブは、派手ではないけれど、
胸の奥にずっと灯り続ける小さなランタンみたいな時間になる。